金色の文字使い 勇者四人に巻き込まれたユニークチート / 十本スイ

レビューという名の感想文です。

 

サブタイトルにもあるように、勇者召喚に巻き込まれて固有魔法のチートをもらったぼっち高校生ヒイロが主人公です。

ヒイロの興味のあることは、本と食事のみ。基本的にタダ働きはせず、有償で人助けを行います。人助けじゃなくて、時々略奪ついでに人助けに行こうとしますが。

クラスメイト4人とともに召喚されたものの、勇者ではなく、特にクラスメイトと交流も無かったため、勇者たちとは分かれて冒険者ギルドに登録して、金策しながらレベルと魔法の腕を上げていきます。

たまたま立ち寄った村で暴れていた冒険者を討伐した後に、今後パーティメンバーとなるおっさんアーノルドと少女ミュアの二人と合流。以降、この二人と行動をともにします。

が、少女は獣人族であるために、獣人を人ではないので何をしてもいいという思想の組織「獣の檻」に狙われ誘拐されてしまうのですが、おっさんと主人公でその部隊を殲滅し、少女以外にも誘拐されていた獣人族を救出するところで1巻は終了です。

村でも、誘拐事件でも、ミュアを含めた子どもたちにモテるのですが、本人は自覚なしどころか、若干めんどくさいという態度。基本的にぼっちで人間関係を築こうという気も無いので仕方がないのでしょうね。

設定的には概ねド定番。巻き込まれ召喚、一人で行動、チート持ち、実はいいヤツというある種テンプレートですね。自分が大好きな作品で「異世界魔法は遅れている!」という作品も同じタイプのテンプレートですね。あっちのチートは現代で手に入れたものですが。

ド定番だからこそ、妙な心配や設定の違和感とか気にすることも無く安心して読むことができます。すごく嫌なキャラクターも特に出てこないのが良いです。コミック版を先行して読んでいるので、後にはろくでも無いのが出てくるのは知ってるんですがね。「獣の檻」の幹部連中とか思想はろくでもないですが、毛嫌いするタイプではなく、主人公や勇者に討伐される定番の敵なのが、安心です。

ヒイロは物静かな人間嫌い(まで行かないかな?)で、アーノルドが熱血タイプでツッコミ役、ミュアは可愛いという感じでしょうか。

文字魔法はどっかで見たことある気もしますが(魔法ではないけど、パプワくんの生き字引の筆みたいな感じ)、これが成長して、応用して使うことができるようになるのが良いです。

文章は読みやすいので、読むのに時間もかからないんじゃないかなとは思います。

面白いので、サクサク読めるというのもあるかと思いますけどね。

コミック版である程度先を知っているのですが、原作ではどうなっているのか楽しみです。