孫悟空は日本人だった / 山田久延彦

孫悟空は日本人だった―長野・戸隠は地下文明国の入口

孫悟空は日本人だった―長野・戸隠は地下文明国の入口

レビューという名の感想文です。


オカルト系ということでちょっと楽しみで読んでみたんですが、これはヒドイです。
妄想、想像、科学の否定、最近出てきた神の啓示、自分の著書、見間違い、竹内文書などを基本として論理を展開しているので、突っ込みどころ満載です。
ところどころに若干なるほどというところはあるものの、大体が妄想の塊で、自身で科学者と言ってる割には、科学を否定する始末。
円石について地質学で解明されているが、そうとは思わない、空から降ってきたものだとか
下教来石を下降来石と読み間違えて、何故か確信したり
石尊神社に行って孫悟空の妄想を見たりだとか
なんというか、自分の都合の良い方向にしか向いてないですね。
以前、古事記についての著書を出していたようなのですが、それを基本としているためにトンデモ話が満載になっています。
特にヒドイなと思ったのは孫悟空は丸いカプセルに乗って地球に降りてきたという話。
どこのドラゴンボールですかと。
あとは、古代人がこんな奇想天外な発想をするはずがないということろですね。
昔の人を馬鹿にし過ぎではないかと思います。
ムーなどのオカルト系に比べると、かなりレベルが低いかと思います。
これを叩き台にして、SF作品を作れば結構いいものは出来そうなんですけどね。
地下都市の話や宇宙ステーションの話(これは古事記の方の本でいろいろ書いている模様)、世界についての話、これそのものをフィクションでやっても行けそうな気はするんですが…何番煎じですかね。
ちょっと気になったのは文中にあったノストラダムスの大予言
「1999年、アンゴルモアの大王が地底より甦る」とあるんですが、自分が知っているものは「1999年第7の月、恐怖の大王が空から降りてくる」だったと思うんですよね。MMRなんかでも空からだったはずだし。
般若心経は原語に当たるのに、こっちは原語に当たってないなど、片手落ちどころかいろんなものが落ちている本でした。