江戸艶本を読む / 林美一

江戸艶本(えほん)を読む

江戸艶本(えほん)を読む

レビューという名の感想文です。


艶本と書いて、「えほん」と読む。
江戸時代のポルノ本についての本です。
紹介されているのは48ほどです。
あとがきによれば、これは雑誌連載で、著者は数百回連載してやろうと思っていたらしいのですが48回で終わりになったとのこと。
雑誌連載時は、文字のみだったらしいですが、本としてまとめられるときに実物からの挿絵などを入れることが出来たようです。
原文引用は読みやすくなっているようですが、やっぱり読みにくいです。
当時と今では文法も違っていますし(あとがきによれば、そもそも文法が厳密ではなかったとか)、読みが難しい字も多いですね。
ある程度時代物などを読んでいれば、多少は問題ないと思いますが。
紹介されている大半が、いわゆるパロディモノで、そういったパロディモノが江戸時代には多かったんだとか。
みんな知ってる話なら背景説明しなくても良いということで、ある意味楽だったようです。
個人的に面白かったのは、原文で使われてる擬音。
現代の官能小説とかなり近いものがあるような気がします。
擬音の種類でもそうですし、擬音の使い方も含めて、今も昔も大差ないんだなぁという感じですね。
なかなかおもしろくて、原文の現代語訳をちゃんと読みたいなと思ったり。
基本的には男女モノが紹介されています。
ちょっとだけ、男色モノがあって、そのついでにTSモノまであって、江戸時代からある意味変わらないんだなとは思いました。