異形の惑星 系外惑星形成理論から / 井田茂

異形の惑星―系外惑星形成理論から (NHKブックス)

異形の惑星―系外惑星形成理論から (NHKブックス)

レビューという名の感想文です


太陽系以外の惑星系についての本です。
最初はそういった系外惑星を探す話ですが、基本的にはそういった系外惑星、及び太陽系がどうやってできたのかということを解説したものです。
この書籍は2003年に出ているものなので、すでにいろいろ覆ったり証明されたりしているかもしれませんが、その時点での系外惑星の発生のメカニズムで出ているものを解説し、著者の考えを記述したものになります。
現在、確か地球型の系外惑星は見つかっている(もしくは、可能性がある)はずですが、この本の時点では、大型のガス惑星が見つかっている程度です。
それも、ホットジュピターと呼ばれる恒星に非常に近いところを高速で回る(公転周期3,4日等)惑星、エキセントリック・プラネットと呼ばれる楕円軌道を走る惑星が見つかっている程度です。
成形される時間単位が万年億年なので、実験や観察で証明するのが非常に難しい世界です。
基本的には計算やコンピュータ・シミュレーションでこうだったのではないかという理論を立てていくようです。
この本を読んでて、へぇ〜と特に思ったのは、火星と木星の間にあるアステロイドベルトが元々アステロイドベルトだったという話ですね。
昔から、あれはそこにあった惑星が崩壊したものというイメージだったので、これはかなり目からウロコでした。
ガスとチリから、微小の塊になって、さらに微惑星、原始惑星になり、地球型惑星木星型惑星、氷惑星となるということで、微惑星が結局固まれなかったのがアステロイドベルトという感じでしょうか。
いろいろ知らない理論や話があり、楽しめました。
が、なんだかんだと難しいので、理解するのは大変です。
実践で確認するのが難しい世界ですが、観測や理論の構築によって世界が広がることを期待したいです。