二四〇九階の彼女 / 西村悠

二四〇九階の彼女 (電撃文庫)

二四〇九階の彼女 (電撃文庫)

レビューという名の感想文です。


世界をコンピュータが支配し、人類は巨大な塔の各階層に詰め込まれた世界で、塔を下っていく少年の物語です。
基本的に短編となっています。
この本では5つの短編(あとがきには4つの短編と1つの掌編とありますが)が掲載されています。
世界の隙間の図書館の話、戦争の世界の話、カエルの国の話、幸せを求めた結果人類が居なくなった世界の話、塔を下る前の話の5篇です。
カエルの国の話が短いので、掌編というところでしょうか。
ミステリーでもサスペンスでもアクションでも無いです。
基本的に切ない話です。
図書館の話は物語の後が悲惨なのが見えているし、戦争の世界と人類の居ない世界は最後は悲しい話だし、塔を下る前の話は別の塔が崩壊してしまうしで、基本切ないです。
カエルの国の話がコメディなので、ホッとするところですかね。
ちょうど本の真ん中ですし。
話の内容や量的には物足りないかなという感じです。
もうちょっと世界設定を語らない方が良いんじゃないかなとは思ったりします。
デビュー作らしいので、物足りなくても仕方ないのかなとも思いますが。