鼻行類 新しく発見された哺乳類の構造と生活 / ハラルト・シュテュンプケ

鼻行類 (平凡社ライブラリー)

鼻行類 (平凡社ライブラリー)

レビューという名の感想文です。


すでにかなり有名な本ですが、ようやく読んでみました。
鼻行類」という、哺乳類についての本です。
一応フィクションのはずなんですが、すべての資料がすでに散逸してしまっているため、フィクションともノンフィクションとも言えないとかいうそういう話。
基本的には学術書の体をとっています。
そのやり方が完璧すぎたので、当時いろいろと物議を醸したようです。
実際読んでみても、しっかりやり過ぎというぐらいにやってます。
参考文献までもがしっかりネタになっているために、信じてしまう人が多々出てくるのは仕方ないかなとも思います。
あとがきによれば、フランス語版で序文を大物動物学者が書いてみたり、サイエンスにこれに関する記事が載ってみたりするなど、これは本当のことではないかと思わせる状況が多々発生していたみたいですね。
ここまでやれば、しっかりした学術書に見えてくるので、素晴らしい作品だと思います。