誘拐逃避行 少女沖縄「連れ去り」事件 / 河合香織

誘拐逃避行―少女沖縄「連れ去り」事件

誘拐逃避行―少女沖縄「連れ去り」事件

レビューという名の感想文です。


自分はこの事件を記憶していないのですが、誰も救われてないなぁという印象。
誘拐されたとする女児、その母親、祖父母とすべてがすべてお互いに保護や干渉をしない関係が、事件前から事件後までずーっと続いているんですよね。
そして、誘拐したとされる側は本人や元妻が、結構すごい人生歩んでて、更に弟にまで迷惑をかけてしまっている。
事件が解決した後でも、幸せになった人がだれもいないっていうのは、いろいろ残念ですね。
女児がなんにも変わっていないというのが特になんとも言えないです。
ただ、著者の感想部関連でところどころひっかかるのがあって、「家族は幸せでなければいけない」みたいな思想が見えてくるかなとは思いました。
幸せじゃない逃げなきゃいけない家族は認めていないんじゃないかなと。
著者は「セックスボランティア」の作者でもあるんですが、なんというか視野が狭いというか、視線が一点集中なのかなという印象です。
事件だけじゃなく、著者の感想や取材姿勢も含めて、読後感はぐったりします。