海底密室 / 三雲岳斗

海底密室 (徳間デュアル文庫)

海底密室 (徳間デュアル文庫)

レビューという名の感想文です。


密室ミステリーになります。
舞台が深海実験施設なので、SFかと思ったらSF要素は無く通常の密室ミステリーになっています。
化学や科学の話は多数出てきますけどね。
主人公である探偵役は眠ることができない体質で、それに付属する疑似人格のコンピュータが探偵助手役なので、探偵組がSF要素としては一番強いでしょうか。
深海実験施設そのものがSF要素じゃないかと言ったらそうなんですが、事件がこの深海という密室の中で発生しただけでSF施設として動いてるわけではないのです。
…まぁ、SFミステリーじゃなくて、ミステリーであるというのは、巻末の解説の受け売りなんですがね。
冒頭の「クロストーク現象」が、最後の最後に鍵になる伏線がしてやられたという感じですね。
事件そのものは、ミステリーの定番だったり、トリックは科学施設特有現象を利用したものだったりで、比較的平凡なはずなのですが、なにかすごいという印象でした。
非常に面白かったです。