アルタッドに捧ぐ / 金子薫

アルタッドに捧ぐ

アルタッドに捧ぐ

レビューという名の感想文です。


未校正バージョンです(ブクログのキャンペーンで頂きました)
ひと通り読んで思ったことは、すごい詩的な小説なのかなと。
物語としては、モノを書きたい青年、本間が大学院受験に失敗し、小説を書いていたトコロ、登場人物が作者の意思に反し、物語内で死んでしまった。
その死んだ時に、原稿用紙から登場人物の左腕、トカゲ(アルタッド)、サボテン(アロポポル)が出てきて、それとともに大学院受験までの間に、書くことへの自問自答を繰り返し、大学院に合格するまでの話です。
原稿用紙から中身が飛び出てくる以外には特にファンタジー的要素は無いですし、特に事件らしい事件も発生しません。
あるのは、本間の書くことへの自問自答ばかり。
評価がすごく難しいのではないかと思います。
なんというか掴みどころがさっぱり無いです。
ただ、なんとなく美しいというか綺麗というか、そんな雰囲気だけはあります。
比較的短編で、読むのに時間はかかりません。
自問自答というか芸術論文学論的な問はありますが、読みやすいです。
そして、読み終わった後、意味はわからないけど頭のなかがすーっとクリアになったような気がします。
小説というカテゴリでいいのだろうかと、ちょっと思いますね。