レビューという名の、感想文です。
上のリンク、ISBNで取ってもKindle版しかでてこない…。読んだのは文庫版なんですが
愛と死とエロスとなっていますが、エロスはそんなにないです。愛と死は満載ですが。
個人的にはエロスに期待していたので、ちょっとがっかり。
基本的にはつまみ食い本になりますね。面白いエピソードをちょこっとづつつまむ感じの。
最初の項目は「死とエロス」。ここでは平野耕太「ドリフターズ」でも出てきた神聖隊の話もちょこっと入ってます。
この項で興味深かったのは、ネクロフィリアですかね。一種のラブドール扱いとしていたものもあったみたいです。
次は「死と欲望」。ここはカニバリズムですかね。幹部がいなくなってどうしたのかと聞くとうまかったか?みたいな、古代の話で聞いたネタを近代でやってた大統領がいたというところに驚き。アフリカすげえと思いました。
続いて「現世への執着」。お墓に関する項目ですね。
共同墓地の適当っぷりが凄い。余計に病気や死者まで出したり、移設するときは骨の種類別に洗って分けたりと、時代が違うのもありますが凄いです。日本的穢思考だとこれは厳しそう。
その後は「自殺を巡る奇譚」。自殺に関しての項になります。
いわゆる尊厳死(貞操を守るためなど)を概ね認めていたのが、ある時そんなもの関係なく自殺禁止になるとか、時代ですね。
自殺は悪い事扱いなので、死体の扱いも悪くする墓も適当にするまではわかるのですが、窓から出すのが侮蔑になるとか、若干コント風味なんですよね。まぁ、違う時代なので滑稽に見えるのは仕方ないとは思いますが。
あとはサティー。確か最近でもやってるって話がニュースになってたような気がします。インドも恐ろしい。
最後は「死に際の美学」。有名人の凄い死に際特集ですね。
ラスプーチン、アイヒマン、ロンメル、ソクラテス、ハワード・ヒューズは凄いなカッコいいなとは思いました。
ラスプーチンの凄いのは軽く知っていましたが、やっぱりとんでもないですね。アイヒマンとロンメルは最後がカッコ良すぎますね。ソクラテスは渋い。捕まる前はボケたのかな?みたいな行動してますが。ハワード・ヒューズの入れ替わり作戦はホント凄いです。
つまみ食い本ですが非常に楽しかったです。
そして、桐生操の文は読みやすいのが良いですね。