機械じかけの蛇奇使い / 上遠野浩平

機械仕掛けの蛇奇使い (電撃文庫 (0916))

機械仕掛けの蛇奇使い (電撃文庫 (0916))

レビューという名の感想文です。


ファンタジー世界だと思ったら、実はシミュレーション世界でしたという、SFですね。
魔法とはちょっと違う、詠韻技術という力が使える世界です。
若き皇帝が、古代遺産(実はオーバーテクノロジー)に惹かれて、そのおかげで暗殺を逃れ、帝国を廃止していく物語です。
オーバーテクノロジーオーバーテクノロジーの戦いが面白いです。
皇帝についているバイパーは、皇帝のデッドコピーでなかなかおもしろいキャラクターです。
フィアンセについているジャグヘッドは、虚空シリーズで出てくるような超兵器でした。ジャグヘッドは銀河の彼方から攻めてくる敵とたたかうための兵器なので、虚空シリーズと繋がってるの?とか思ってしまいました。
大臣とかが帝国を乗っ取るために暗躍していたのと、バイパーやジャグヘッドが力技であっさり叩き潰すのは爽快で良いです。
ジャグヘッドの特定距離の空間を吸い込むというとんでもない能力があまりにもオーバーパワーなんで、いろいろ心配して読み進めてしまうわけですが、重大なバグ?があって、それを利用して撃退するシーンも良かったです。
ハッピーエンドとは言いづらいですね。
帝国はボロボロだし、バイパーは沈黙しちゃうし、でもバッドエンドではなくて、これからの未来に期待するというエンドでした。
上遠野浩平作品はのめり込めて面白いです。