ゾウの時間ネズミの時間 サイズの生物学 / 本川達雄

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)

レビューという名の感想文です。


かなり昔に話題になっていた本です。
大半の動物は、サイズによらず、同じ比例の線の上に乗っているということを解説した本です。
運動量や行動範囲、サイズ、心拍数、体の各種パーツなどなど、特に哺乳類に限ると同じ比例の線の上に乗るというのが測定で確認でき、それを式に表しています。
ただ、なぜ比例の線の上に乗るのかについては、ほぼ仮定の話になっています。
本書も古い本なので、いまなら解明されているのかもしれませんが。
半分以上は哺乳類を中心として、そこに魚類や鳥類を足した感じの項目になっており、後半の数章で昆虫や植物とサンゴ、棘皮動物についての解説があります。
個人的には、哺乳類などのサイズの話はかなりチンプンカンプンでしたが、昆虫、植物とサンゴ、棘皮動物については非常に面白く読めました。
特に棘皮動物。ウニやヒトデの類ですが、このあたりは大変おもしろい、そして動物としても面白いものでした。
外骨格的内骨格生物であるとか、キャッチ結合組織とか、面白い生態が解説されていました。
先にも書きましたが、大半が推論や仮定の話で、事実としてはこうだけど、なぜこうなっているのかというのは書かれていないのが残念です。本書の時点で、解明していないので仕方がないですが。