複製人間クローン / 熊谷善博

クローン羊ドリーから始まったクローン騒動をクローン技術や生殖技術などを分かりやすく解説して説明している本です。マスコミやプロ市民(とは書いていないが、反対するために反対する人とかの表現もある)によるクローン騒動の無駄な大騒ぎの本当のところを教えてくれます。
例のドリーに関しては乳腺細胞からのクローンということだけど、実際に作ったのは277個の細胞のうち13個が妊娠し、1個のみが出産だったわけです。そして、その時同時に別のもっと複製を作りやすい細胞を使ったものを利用してそっちのほうが成功率は高かった模様。元々、このドリーを作った研究所は「いい羊」を作るための研究をしていて、それが出来上がったらそれをクローン技術で増やして群れにしてから放置するという計画だったようです。
こういったクローン技術は日本でも使われていて、有名なところで畜産関連がありますね。ウシなんて受精卵を分割して複数の同体のウシを作っていますしね。日本では金儲けのため、食糧自給のためにクローン技術を多用しています。サケ・マスもそういった技術を使って増産しているんだそうです。
クローン人間に関しては、キリスト教国が強い反発をしているのに対して、多神教国家である日本ではそこまで爆発的な反応は無かったようです。まぁ、これも日本人らしいところですけどね。神様もいいのが居ればそれをもらってきちゃうわけだし。
クローン人間やクローン技術に興味のある人は読んでおいて損は無いと思います。
私自身はクローン人間ができ様がなんだろうが医学や科学が進歩して正しく使われれば良いと思っています。
余談ですが、本書の中でクローン人間vs人間って話しが出てくるんですが、まるっきりガンダムSEEDがそうですね。ナチュラルvsコーディネーターですから。ちなみに、エヴァの話も出てきたりします。