死体闇取引 暗躍するボディブローカーたち / アニー・チェイニー

死体闇取引―暗躍するボディーブローカーたち

死体闇取引―暗躍するボディーブローカーたち

レビューという名の感想文です。


アメリカにおける死体の裏マーケットのノンフィクションです。
元々の遺体を提供する側は、献体として無償で引き渡して、学術などのために使われると思ったら、いつの間にかブローカーに売却されて商品にされて売られている。
すべて献体の話ではなく、近代の墓荒しから、葬儀屋の窃盗まであったりするので、十把一絡げに扱えませんが。
外科医の研修用や最新機器のデモンストレーションはまだしも、死体から取り出して特に精査もせずに移植に使うっていうのがすごくずさんなんだなとは思いました。
比較的古い本なので、今は違うかもしれませんが、結構な割合で出元を知らないで使ってたり、提供する企業側もろくにチェックしないという状況のようです。
あと、アメリカでの火葬の方法が日本と違うんだなということに驚きました。
ダンボール製の棺に入れて燃やして骨壷に納める(それも粉砕)までが業者の仕事になっていると。
日本の場合、火葬にするまでずっとついて、最後にお骨を拾うので、こういうことはなかなか難しいでしょうね。
窃盗はもとより、学術のために無償で献体したのに、それでビジネスにされたら、やられた方はたまったものではないでしょうね。