世界終末戦争 / マリオ・バルガス・リョサ

世界終末戦争

世界終末戦争

レビューという名の感想文です。


ものすごい長編でしたが、無事ハマって読み終えることが出来ました。
前半はなんかいろいろだるい感じなのですが、その前半で出てきた登場人物たちが、後半になると頻出してきて、活躍していくので、後半に進めば進むほどハマり込んでいきます。
あとがきによれば、実際にあった事件を下敷きにしている小説のようです。
登場人物の大半が実在の人物らしいです。
後半は主に戦争部分なのですが、モレイラ・セザルの部隊の戦闘と、最終戦の戦争部分が非常に面白い。
気に食わないとすれば、近眼の記者の行動や思想、発言にイライラするぐらいでしょうか。
ジョアン・アバージやパジェウ、ジョアン・グランジなどの元カンガセイロ(盗賊)がかなりかっこいいです。
特に一部の人間を逃がすために突撃したパジェウは良いです。
ガリレオ・ガルは当初カッコ良かったのですが、レイプした後からはなんだかかっこ悪くなっていきましたね…。
あとがきにもありましたが、本文の時間軸や場面転換がすごく唐突です。
政治の話かと思ったら、カスードスに集まったジャングンソの過去話に飛んだりと、最初はかなり戸惑いました。
慣れてくると、スラスラ読めてきます。
非常に面白いのですが、非常に長いです。
自分は比較的読むの早い方だと思うのですが、各章の1項分読むのに、概ね1時間かかるので、毎日1項読んで3週間ほど読むのにかかりました。
ですが、それでも読む価値のある一冊です。