空の境界 下 / 奈須きのこ

空の境界 下 (講談社ノベルス)

空の境界 下 (講談社ノベルス)

式と黒桐の物語の完結編。
荒耶との戦いも終わり、その荒耶が残した起源者との戦いも終わりました。
最後の章である、「空の境界」は蛇足ではないかと思うのです。確かに解説としてこういうのをつけるというのもわかりますが、物語としてはオチを説明しているような状態で、なんか邪魔でした。殺人考察で素直に終わっていれば面白い話だとは思ったのですが、最後の最後で気分を害された感じです。「終わりよければすべて良し」に対して真逆で、終わりが悪いためにせっかくの面白い物語がひどく陳腐に見えてしまいます。
そして、相変わらず的外れな解説。この本を読む人間が昔の伝奇ファンだという想定で書いているような感じで、我々ライトノベルやアニメ世代にもちょっと言い顔をしようというように見えます。まぁ、上巻の解説に比べれば、本文の解説やオタク文化ラノベ文化やセカイ系ブギーポップ等の話にも広げているので、まだましですね。ただ、ましって程度で、こんな解説になぜにこんなにページを割いているのかすら分かりません。別に解説いらないと思うんだけどねぇ。