ソドム120日 / マルキ・ド・サド / 澁澤龍彦 訳

レビューという名の感想文です。


サディズムの語源のと言われるマルキ・ド・サドの作品です。
超有名作品ですね。一応文学扱いの作品でもあります。
本書には、「ソドム120日」と「ゾロエと二人の侍女」が収録されています。
色々と期待しまくって読み始めたのですが、キャラクター紹介で終わってしまって、なんだこれ?になって、あとがきを確認したところ、そもそもの原著が序章しか無いとか…。本編については詳細なプロットがあるだけらしいです。
その本編が読みたくて確保したのに、もとから存在していないとかいうのは想定外です。
まぁ、序章だけでも結構いい感じではあるんですけど、だからこそ期待が膨らんで読んでいったら尻切れどころか頭しか無くてがっくりです。
もう一本収録されている「ゾロエと〜」に至っては、あとがきによればサドの作品ではないという話もあるんだとか。
確かにソドム120日の展開と比較するとだいぶ違う感じがするので、違うと言われればそうなんじゃないかなぁとは思います。
どちらの作品も放蕩や怠惰とか行った感じの官能小説的な作品です。官能小説と違って、本番シーンの直接描写はないですがね。
ソドム120日の方は登場人物の個人を指す名詞代名詞が結構コロコロ変わるので、これは誰のことを言っているんだと混乱するところが多くありました。
あと言い回しが、官能小説より遥かに難しい感じです(文学作品だから当然かもしれませんが)
逆のソロエの方は読みやすく、場面も容易に思い浮かべることが可能でしたね。
悪くはないけど、物足りないというのが両方の作品を読んだ感想です。