異世界薬局 1 / 高山理図

異世界薬局 (1) (MFブックス)

異世界薬局 (1) (MFブックス)

レビューという名の感想文です。


すでに旬は過ぎているとはいえ、未だ世間に大量に新作が出てくる異世界モノです。
異世界物自体は昔からありますし、自分は元々大好き(ネットダイブ系の一種の異世界モノですよね)で、前から興味があったところ、最近確保したので読んでみた次第です。
前世で薬学系研究のしすぎで過労死して、後世で薬師に転生するという、ここ最近の死んで転生するという異世界物の定番パターンです。
現代医学を中世世界に持ち込んでみましたというパターンになります。
当然のように無双するわけですが、無双するのが知識のみならず、身体能力の一部(この作品の場合、神術と診断能力)がチートという、これも最近の異世界転生のパターンですね。
主人公は研究のし過ぎで過労死したので、今度は過労死することなく、どんな患者でも救うという目的で行動していきます。
タイトルである「異世界薬局」は1巻の中盤以降にようやく開局されます。とある高貴な方を救ってその褒美的に開局に至るというわけです。
1巻では主人公の能力紹介や主人公の立場(宮廷薬師の次男)等の説明が主で、病気をしっかり治すのは、1件だけですかね。あとは、ドラッグストア的に化粧品関連の製作と店舗設立になります。
1巻の最後で目をつけられる事態になってしまい、それが2巻へ続く布石になっています。
なかなかおもしろいのですが、若干編集とか校正とかとか大丈夫か?と思うような文章がちらほら。別キャラでの会話シーンに思えるのに同一キャラが喋ってたり。2巻には、カッコスタートの心情表現がカギカッコで終わるという文章もありました。まぁ、その手のことで有名な「リアル鬼ごっこ」ほどではないですけどね。


異世界転生モノは、「転生」ということなので、死んで別世界が基本テンプレートなのに、「またか」と微妙に批判されたりしていますよね。ここにチート能力となると更に定番的になり、やっぱり「またか」と批判にされていますね。でも、テンプレートってそんなに悪いものじゃないとは思うんですよね。時代劇しかり、探偵ものしかりで、テンプレートのオンパレードですし。
個人的に大好きな異世界転生モノとしては、「紺碧の艦隊」になります。こちらは転生後のチートは知識のみで多数の転生者が居るだけにですね(知識がチートな気もしますがね。大戦初期段階で噴進式の潜水艦とか魚雷とか、Me262が使われてる時代に潜水艦発進可能なジェット機SLBMとか)。
面白いか面白くないかだけの判断で良いと思うんですよね、あれが違うあれはおかしいとか重箱のスミつついたところで、本人は満足かもしれませんが楽しんでる人は楽しくなくなりますしね。キン肉マンとかキャプテン翼とかあの当時そこまで執拗に突っ込む人は殆ど見なかったかと思いますので。


そんなわけで、一気に睡眠時間を削って3時間程で一気に読んでしまうくらいには面白かったです。