梅安蟻地獄 仕掛人・藤枝梅安 / 池波正太郎

レビューという名の感想文です。


今回は4篇が収録されています。
仇討に行って返り討ちに合った女の無念を晴らす春雪仕掛針、ひょんなことから仕掛けを受けてしまった浪人の梅安蟻地獄、その浪人を逃がすために上方に向かう梅安初時雨、幕府の巨悪を倒す闇の大川橋の4篇になります。
このうちの、闇の大川橋以外は事前にコミック版を読んでいたのですが、蟻地獄と初時雨は原作とコミック版でかなり変わっていますね。
大きな流れそのものは大差ないのですが、梅安先生と一緒に居るのが彦次郎じゃなくて小杉さんだったり、富公が救われなかったりとか、二条城の仕掛けの詳細は一切ないとかそういう感じですね。
原作のほうが救われないかなと思うけど、コミック版だと多吉が殺されたりしてますしね。
旅籠での殺しの数が原作の方が遥かに多かったりしますけども。
さくさく読めるし、非常に楽しい。
江戸文化がちょっとわからないところあるので、幾つか頭にはてなが付くこともありますが、それを補って余りある楽しさです。
おせき婆さんのキャラも好きですね。
ずーっとシリアス一辺倒ではなくて、結構なポイントでクスリとできる部分があるのが良いです。
ほんと面白いです。